核シェルターの世界の普及率は?日本や各国を取り巻く環境について調査!

スイス、イスラエルでは100%普及している核シェルター。

日本では0.02%とかなり低い普及率ではあるが、世界の核シェルターの普及率がどうなっているのか気になる方もいるだろう。

本記事では、

  • 世界各国の核シェルター普及率
  • 各国の核シェルターを取り巻く環境
  • 日本で普及率が低い理由

について述べていく。

核シェルターの世界の普及率は?


引用 幸福実現党HP

スイス 100%
イスラエル 100%
ノルウェー 98%
アメリカ 82%
ロシア 78%
イギリス 67%
シンガポール54%
日本 0.02%
韓国ソウル市 300%

さて上述のデータはNPO法人「日本核シェルター協会」が2014年に発表した主要各国の核シェルター普及率である。

この普及率は国民一人当たりの収容可能割合なので、スイス、イスラエルでは国民100人に対し、100人分収容可能な核シェルターを保持していることを示している。

韓国ソウルでは300%を超える収容率となっているが、これはソウルの地下鉄が核シェルターを兼ねているため、高い収容率となっている。

また、ロシアも78%と高い普及率を示しているが、2016年にロシア非常事態省は「モスクワ市民すべてを地下シェルターに避難させる用意ができた」と発表しているため、現状の数値はもっと高くなっているはずである。

そして、日本では0.02%とかなり低くなっている。

日本で核シェルターの普及が低い理由については後述する。

核シェルターの各国を取り巻く環境や民間防衛

スイス

スイスに関しては核シェルター普及率が100%以上である。

1963年に核シェルターの設置を義務づける法律が制定されていたほど、民間防衛に関しての意識が高い。

2012年には核シェルター設置の義務化は撤廃されたが、自宅に設置しない過程は、自治体に1500スイスフラン(約19万円)を支払い

「永世中立国」であるスイスは、皆兵制であり国民各自がいざというときに出兵することとなる。

日本のようにアメリカの「核の傘」(核攻撃を受けたら報復してくれる同盟国)があるわけではないため、個人の自衛意識を強く保たねばならないことが、核シェルターの普及につながった。

国民には呼吸用の防毒マスクも無料で配布されている。

国民全員に配布された「民間防衛」からも強い自衛意識を感じる。

スイス国外で起こる戦争を考えただけでも、核兵器に対する防禦についての徹底的な準備が必要である。引用 民間防衛 スイス政府編 p73

スイスの高い危機意識は日本も見習うべきところがあるだろう。

イスラエル

イスラエルもスイスと同様、核シェルターの普及率は100%である。

1951年に民事防衛法で核シェルターの設置が義務付けられ、1992年には家に安全基準が設けられ、新たに建築する建物には避難室の設置が必要となった。

アラブ諸国と敵対する関係にあるイスラエルは、パレスチナ解放運動を始め、他国から幾度も暴力的な攻撃を受けてきた。

建国当初から民間防衛組織「Haga」(不穏事態に対する防衛サービス)を設立し、民間防衛に関する意識は国ができた当初からあったようだ。

特に1973 年のヨム・キプール戦争(第四次中東戦争)の際に似は、応急救護隊が負傷者がいる場所まで駆けつけることができない事態が発生し、緊急時に国民一人一人が自衛の意識を持つことの重要性を痛感する。

1991年の湾岸戦争ではイラクから40発ものミサイルを撃ち込まれたものの、少ない被害に抑えられたのは、数多くの核シェルター、また、緊急時の対応が国民に広く行き渡っていたからである。

イスラエルもスイス同様に、は「住民委員会のための保護ガイドブック」を各家庭に配っており、緊急時のシェルターへの避難方法、シェルターのメンテナンスなどもハンドブックに記載されている。(参照 諸外国に学ぶ国民保護体制のあり方に関する研究 )

アメリカ

アメリカも核シェルター普及率が82%と高い。

アメリカではスイス、イスラエルと違って法律による義務はないが、1950年代から民間防衛目的の核実験を実施した辺りから国民自ら核シェルターを購入するような働きかけが活発になった。

当時は「生き残りはあならの仕事」と消費者の防衛意識を促している。(商業的な思惑ももちろんあるが。)

軍事施設や政府機関には核シェルターが完備されており、近年公立の小学校~高校に「3ヵ月生存の地下シェルター」も整備している。(参照 民間防衛 日本版p48)

トランプ政権の強硬的な対外政策に不安を感じ、アメリカの核シェルター会社への問い合わせも劇的に増えているようだ。

ロシア

ロシアは核シェルター普及率78%とされている。

冷戦時に大都市を中心にシェルターの準備を進め、サンクトペテルブルク地下鉄やモスクワ地下鉄など、地下鉄が核シェルターの役目をはたしている。

2016年にはロシア非常事態省は「モスクワ市民すべてを地下シェルターに避難させる用意ができた」とも発表している。(引用 民間防衛 日本版p49)

ちなみにソ連時代の核シェルターは、すべて国家によって建設されており、家庭用シェルターの普及が進んでいるわけではなさそうである。

イギリス

イギリスの核シェルター普及率は67%と高い水準にある。ただ、政府などの核シェルターは完備されているが、公共シェルターは少ない。

イギリス政府が国民向けに出版した民間防衛書「Protect and Survive」もあるが、国民には簡易シェルターを自身で作るような指示も出されている。(英国民間防衛ブックレット「防護と生存」)

ちなみに、2004年12月には機密扱いとなっていた、ウィルトシャー州コルシャムの地下シェルターも政府によって公開されている。


引用 www.thesun.co.uk

1950年代に作られた4,000人の収容が可能で90日間生き抜くための備品も揃っている大規模なシェルターであるが、イギリスも核攻撃への備えは準備していたようだ。

シンガポール

シンガポールは核シェルター普及率が54%となっているが、防衛意識が高く組織・指揮命令系統もしっかりしている。

国防政策の基本理念にTotal Defence(全面防衛)を掲げており、内務省が所管する8つの機関の1つに「民間防衛隊」があり、緊急時に民間の救助体制を整備する部隊もある。

また、「民間防衛シェルター法」という法律もあり、新築住居に、緊急事態の際の避難所スペースを作ることを義務づけている。(参照 シンガポールの政策)

民間防衛シェルタープログラムというシェルターに関しての規制や指導を行うプログラムにも財源を割り振られており、政府が国防への取り組みに積極的な姿勢もうかがえる。


引用 シンガポールの政策

政府は、国防が国家発展の基礎であるという認識を持っているのは日本も真似るべきではないか。

日本の核シェルター普及率が低い理由は?

さて各国の核シェルター普及率について述べてきたが、日本では0.02%と諸外国と比べて非常に低い普及率となっている。

2017年の北朝鮮のミサイル発射により、核シェルターの売り上げが増えたという話もあるが、それでも極めて低い普及率であることに変わりない。

なぜ世界唯一の被爆国である日本がここまで普及率が低いのか。

理由の一つで挙げれるのが、日本の建築文化や建築基準法によることである。

日本は元々湿度も高く、地下室を作るという文化がなく、高床式の建物が多く作られている。元々地下室を作るという文化が無かったのだ。

また、建築基準法では居室として地下室を作ることを禁止としていた。

2000年には建築基準法も改正され地下室を居室として利用することも認められたが、

  • 上部が外気に開放されている
  • 居室内の湿度調整・換気の設備がある

などいくつかの条件を満たさなければならないのである。

このように核シェルターを作る風習がなく、なおかつ法整備がされていない状態が核シェルターの普及の低さにつながっているだろう。

また、国防意識の低さ、民間防衛も日本で核シェルターの普及が低い理由の一つだろう。

前述した通りスイス、イスラエルなど普及率が高い国では民間防衛の重要性を政府が理解しており、国民への緊急時の徹底した防衛対応、シェルター設置の補助金など政府が民間防衛のバックアップを積極的にしている。

一方日本では今のところ民間防衛を進んで担当する役所が無い。

昨今のイージスアシュア問題などを見ても、行き当たりばったりな対応が残念ながら目に付く。

政府が明確なロードマップを描けない状態であれば、個々人が防衛意識を持つことが大事である。

おわりに

今回は核シェルターの世界の普及率と日本含む各国の核シェルターを取り巻く環境について簡単にまとめてみた。

国際情勢の緊迫度が増している中、非常時に備え核シェルターの普及率を上げることは重要である。

核シェルターに興味を持った方は、本サイトでも核シェルターについて情報発信しているので是非気になる記事があったら見ていただきたい。

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